ダウ理論は、アメリカのジャーナリストであるチャールズ・ダウが考案したマーケット理論で、現代のニュースで当たり前のように取り上げられる平均株価(日経平均株価やNYダウ)は、ダウが考案したものでした。
また、彼が設立したダウ・ジョーンズ社、および発行した経済新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、今もなお権威を持つことで広く知られています。
ダウ理論は6つの基本法則で構成されています。
- 平均株価はすべての事象を織り込む: 市場価格の形成(需要と供給)に影響を与えるあらゆる要因は、平均価格に反映される(織り込まれる)という考え方です。需給に影響を与えるファンダメンタルズ要因はもちろんのこと、地震や災害といった予測不可能な事象であっても、そのプライス動向は平均株価に織り込まれていきます。
- トレンドには3種類ある: ダウは上昇トレンド/下降トレンドについて、明確な定義付けをしました。これは現代にも受け継がれている基礎的な考え方です。トレンドの定義としては、高値および安値(方向性を持った推移の中の山と谷)に注目します。
- 長期トレンドは3段階からなる: 長期トレンドは、3段階で構成されると考えます。第1段階では、先行型の投資家による買いが主で、株価は動意づくもののあまり動きません。続く第2段階では、株価上昇や景気改善が見られ、多数の投資家が追随して買い始めます¹。そして第3段階では、報道での扱いが大きくなり、出来高も増え、一般投資家や初心者の参入も増えていきます。
- 平均は相互に確認されなければならない: ダウ理論は初期段階において、工業株価平均と鉄道株価平均で構成されていました。当時、両者はばらばらな動き方を示すものと認識されており、それらが同じ方向性を示さない限り、本格的な上昇トレンド/下降トレンドとはいえないと考えたのです。
- トレンドは出来高でも確認されなければならない: ダウはシグナルを判断するための重要な要素として、出来高をあげています。長期トレンドが上昇であれば、出来高は価格の上昇に伴って増加し、調整局面では減少します。
- トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する: 一度、上昇または下降トレンドが開始すると、その動きは継続する性質があります。そして、明白な転換シグナルが発生するまでトレンドは継続し、高値および安値の切り上げ/切り下げというトレンドの定義が崩れたときが転換シグナルになると考えます。
ダウ理論は、これらの法則を用いて相場の動きを分析し、予測するためのツールです。しかし、これらの法則はあくまでガイドラインであり、必ずしも全ての市場状況に当てはまるわけではありません。したがって、投資判断は自己責任で行うようにしてください。
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